・ 蛍石 Fluorite 成分:CaF2
メキシコ チワワ州 長径約43mm
タイトルに使うぐらいですから大好きな石です。
様々な色のものがありますが、緑や紫が多いようです。
この個体も非常に曖昧なニュアンスを持った配色(ファントム*注1)で、
画像での再現が難しいです。
高熱を加えると発光する性質があります。
(やったことはありませんが、破裂するおそれがあるので要注意)
工業的にも需要の高い鉱石で、フッ素を取り出す他様々な用途に使われます。
例えば、光の屈折率や分散(*注)がガラスよりも低いことを利用して、人工蛍石を高級な望遠レンズに組み込んだりします。
屈折率が低いため、あまり輝きはありませんが、逆に光を吸い込むような深い色合いが魅力的です。
とても綺麗な石ですが、非常にもろく、宝石にはあまり向きません。
ちまたでは、八面体の個体を売っているのをよく見かけますが、
これは、劈開性(へきかいせい)*注を利用して形を整えている場合がほとんどです。
撮影:PowerShot G6
イギリス、ダーハム郡、ロジャリー鉱山 Rogerley Mine, Frosterley, County Durham
15mm
ロジャリー鉱山産の蛍石は、特に強い蛍光(*注)を発することで有名です。
直射日光下で見ると色が変わって見えるそうです。
蛍光の英語の"Fluorescence"という言葉は蛍石の蛍光性が元になっていますが、他の産地の蛍石は蛍光しないこともあります。
撮影:COOLPIX990
Aはブラックライト、Bは殺菌ランプで照らして撮ったものです。
紫外線は波長ごとに以下の三つに分けられます。
A領域紫外線(長波長紫外線) 320〜400nm
B領域紫外線(中波長紫外線) 280〜320nm
C領域紫外線(短波長紫外線) 100〜280nm
このブラックライトは波長のピークが352nm、
殺菌ランプの方は254nmなので、それぞれ長波長と短波長にあたります。
紫外線で蛍光する鉱物は波長によって光ったり光らなかったりするのですが、
この蛍石の場合は、長波長で強い青紫の蛍光、短波長で弱い黄緑の蛍光を示します。
ちなみに、短波長紫外線は人体に有害で、
皮膚に炎症をおこしたり、皮膚の深部まで入り込んでDNAに傷をつける性質があるので、殺菌ランプの取り扱いには十分気をつけてください。
特に直接目で見るのは避けるべきです。
撮影:A. PowerShot G6 B. COOLPIX990
| C | D |
CはNikon COOLPIX990、DはCanon PowerShot G6で撮ったものです。
背景の処理とリサイズを施しましたが、色はそのままです。
Aの画像はできるだけ元の色に近づくように補正したものですが、デジカメでの青紫色の再現がいかに難しいか解るかと思います。
注
ファントム:
内部に何色かの層がぼんやり見えること。
紫水晶等で時々見られる
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劈開性:
へきかいせい。一定方向に割れやすい性質のこと。
蛍光:
短波長の電磁波の照射により原子や分子内の電子が励起し、軌道を遷移する際のエネルギー放出に伴う発光現象。
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登録 2005/07/10 蛍石
更新 2006/08/24 記事移動
2006/10/05 強蛍光性蛍石
2008/07/18

